大切な時間をもう一度

介護リーダーの染谷です。

水彩画を趣味にされていたご入居者様。

以前、食堂に飾られていた「さるすべりの花」を丁寧に描いておられたことがありました。

そのお話を母にしていたのですが、覚えていたようで、自宅の庭に咲いた紫陽花を私に手渡してくれました。

「この紫陽花も、その方に描いてもらえたら素敵ね」と。

私はさっそく、その紫陽花をホームに持参し、ご入居者様にお願いしてみました。

しかし、「そんなに簡単には描けないよ」と、何度かやんわりと断られてしまいました。

それでも、私は諦めませんでした。

絵を描くことが、ご入居者様にとって心のスイッチが入るような、大切な時間だと感じていたからです。

だからこそ、もう一度そのスイッチが入ってくれたら。。。

そんな願いを込めて、一週間ほどお部屋に通い続けました。

そしてついに。。。

ご入居者様は、そっと筆を取り、描き始めてくださったのです。

母の願い、私の想い、そしてご入居者様の「描きたい気持ち」がひとつにつながった瞬間でした。

完成が、今からとても楽しみです。